授業をどう使うか

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How to Use a Language Class

構築中です。10月1日の初回まで、内容は更新・変更されることがあります。Under construction. Content may be updated or changed until the first session on 1 October 2026.

授業をどう使うかUsing a language class

最終更新 2026年9月9日 / Last updated 9 September 2026

語学の授業に何を期待して来るかで、得られるものが変わります。先に、こちらが何のためにこの時間を用意しているかを書いておきます。

授業は、訓練の場ですClassroom time for practice

外でできる(そのほうが速い)知識を入れる説明を読む動画で学ぶ教室にしかない間違えながらやり取りするその場で直される失敗しても何も起きないルールブックを読んでも泳げるようにはなりません。訓練の種類が違います。

語学の授業の位置づけは、「やり取りができるようにするための訓練の場」です。

座って教員の話を聞くだけでは、使えるようにはなりません。これは能力の問題ではなく、訓練の種類が違うという話です。ルールブックを読んでも泳げるようにならないのと同じです。

知識を入れるだけなら、YouTube でも本でもできます。しかも、そちらのほうが速い。

教室にしかないのは、間違えながら人とやり取りする時間です。そして教室は、失敗しても何も起きない場所です。だから練習に向いています。

Use class time to speak with other students, ask when you do not understand, and try again after feedback. You can read explanations on your own. In class, you have people to practice with.

教室は、シミュレーションしながら訓練する場所だと思ってください。本番ではありません。本番は外にあります。

去年、授業でこう言いました。

リーデイングって座って読むだけ、翻訳するだけなら、教室来る意味ないやんか。隣にクラスメートいてもいなくてもいいわけになる。

リーデイングとは、読んで理解し、それについて他人に情報を共有したり、共有してもらったりって、普通は先があるだろ?

読むこと自体を否定しているのではありません。読んだあとに何もしないなら、教室にいる意味がないという話です。

After reading, explain what you understood to a classmate. Ask what they understood and compare your answers. This gives you a reason to read and a chance to use the information.

教員はコーチですThe Instructor Is a Coach

コーチがやること練習の場を確保するメニューを考える状態を把握する続くように引っ張るあなたがやること身につけるできるようにする伸ばす手伝う受け身では何もできるようになりません。精神論ではなく、単純にそういう構造だという話です。

語学の教員がやることは、スポーツのコーチとほぼ同じです。

  • 練習の場を確保する
  • 意味のある練習メニューを考える ここが仕事の中心です
  • 一人ひとりの状態を把握する
  • モチベーションを維持する 続かないと何も起きないので
  • 練習を引っ張る

コーチは、一方的に教える立場ではありません。選手のパフォーマンスをどう上げるかを考える人です。自分の失敗経験も含めて話します。

スキルを身につけて、できるようにして、伸ばすのは、あなた自身です。それができるように手伝うのが、先生であり、コーチであり、監督です。

受け身では何もできるようになりません。これは精神論ではなく、単純にそういう構造だという話です。

I plan the practice, watch how you are doing, and adjust the activities when needed. I can suggest what to work on and help you keep going. You need to do the practice yourself.

知っていることを、使えるようにするUsing what you know

文法規則を説明できることと、会話の中でその形を使えることは別です。資料では、前者を「宣言知識」、後者を「手続き知識」と呼んでいます。授業では、知っている表現を実際に使い、相手の反応を見て、必要なら言い直します。教員はその様子を見て、次に練習することを考えます。

You may know a rule but still find it difficult to use while speaking. The slides describe this distinction as declarative knowledge and procedural knowledge. In class, use expressions you know, listen to the response, and rephrase if necessary. I will use what I observe to plan further practice.

語学学校はジムと同じA language class as a place to train

語学学校に通うのは、ジムに通うのと同じ効果があります。理由は3つです。

  • お金の効果 払っているから「続けよう」という気持ちが生まれる。これは馬鹿にできません
  • ペースの維持 独学よりペースが作りやすい。決まった時間に行く、というだけで違います
  • リソース 教材、環境、指導者。払ったぶんの資源が手に入りやすい

独学でも語学は身につきます。それは本当です。ただ、続けやすさと効率を考えると、授業を使う意味はあります。大学の授業は、その意味でジムの会費を先に払っている状態です。使わないと損です。

Like a gym, a language class provides a regular schedule, materials, and someone to ask for guidance. Independent learning is possible, but a class can help you maintain a routine. University English classes are an opportunity already included in your tuition.

よくある誤解Questions about the course approach

高度な議論レポート、研究、専門の話通じるやり取り挨拶、会話、聞き返し、言い直し大学院入試・就職の面接・留学先の教室で要るのはここ土台を飛ばして、上だけ作ることはできません。「幼稚」と言われることすら、できていないのが現状です。

もうひとつ、去年の授業から。

全く挨拶もできない、会話もできない状況で、アカデミックなリーデイングってできるか?

「英会話みたいな幼稚な授業を、大学でやるべきではない」

言いたいことは分かります。ただ、その「幼稚」と言われることすら、できていないのが現状です。

大学院の入試でも、就職の面接でも、留学先の教室でも、必要になるのは実際に通じるやり取りです。高度な議論は、その上に乗ります。土台を飛ばして上だけ作ることはできません。

「日本人教員は、文法を日本語で解説すべきだ」

これも一定の理屈はあります。ただ、文法用語を覚えても、使えなければ意味がありません。

日本語の文法用語をひとつも知らない人でも、日本語で会話しています。順番が逆なんです。使いながら身につけるほうが、結果的に早い。

Students sometimes ask why a university course includes basic conversation practice. These skills provide a foundation for more advanced discussion. Others ask for grammar explanations in Japanese. Such explanations can help, but knowing grammatical terminology is different from being able to use English in communication.

本当の「文法」学習とはWhat Grammar Study Should Be

従来の考え方 実際に必要なこと
SVO、SVC などの5文型を暗記する
文法用語を覚えて穴埋め問題を解く
型にはめれば誰でも話せるようになる
実際に使いながら身につける
圧倒的なインプット量を確保する
生身の人間とのやり取りで練習する

他の国では、5文型という教え方をしていません。これは知っておいたほうがいい事実です。

言葉は、方程式に単語を入れれば出てくるものではありません。聞く、話す、読む、書くは、すべてスキルです。上手下手はありますが、訓練すれば誰でも習得できる能力です。

自分で文法を押さえたい人向けの解説は 文法について に置いています。AIに掘り下げてもらうためのプロンプトつきです。

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Knowing a grammar rule and using it while speaking are different skills. Listen and read to see how a form is used, then try it in your own speech or writing. Use explanations and feedback to check what you have done.

語学学習の目的Course purpose

語学学習は、言語学ではありません。「使えるようになること」が目的です。

そのためには能力を上げる訓練が必要で、それが授業の本当の意味です。

The aim is to be able to do things in English. Studying how languages work is a different task. My job in this course is to provide the practice and help you need to use English.

まとめUsing class time well

  • 心構え 授業は「訓練の場」だと理解して、積極的に参加する
  • 使いかた ジムに通う感覚で、継続的に「使う練習」をする
  • 目標 完璧を目指さず、実際に「使える」レベルを目指す

授業は「講義を聞く場」ではなく、「実際に使って練習する場」です。安全な環境で失敗しながら学べる機会は、そう多くありません。

志柿浩一郎 北海道大学 大学院メディア・コミュニケーション研究院
SHIGAKI Koichiro, Research Faculty of Media and Communication, Hokkaido University
kshigaki@imc.hokudai.ac.jp

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