メディア論の資料集

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Media Theory

構築中です。10月1日の初回まで、内容は更新・変更されることがあります。Under construction. Content may be updated or changed until the first session on 1 October 2026.

メディア論の資料集Media studies materials organized by topic

最終更新 2026年9月3日

英語演習で扱う理論の資料を、理論ごとに並べています。どの回で扱うかは、進み具合や受講者の反応によって変わります。だから週ごとではなく、理論ごとに整理してあります。

ここにあるものを全部扱うわけではありません。逆に、授業で扱わないものも置いてあります。興味のあるところから見てください。

Materials are organized by topic because the schedule may change as the course progresses. We will not necessarily cover every item in class. Some are provided for further viewing and independent study.

動画を見るときの注意

YouTube の自動翻訳音声は、内容とずれることがあります。必ず英語のオリジナル音声に設定し直してください。

日本語の自動翻訳は、正直まだ使えません。それに、この手のものは自動翻訳で見ても頭に入りません。

Please select the original English audio when watching YouTube videos. Automatically dubbed or translated versions may differ from the original and do not provide the English listening practice intended here.

見るときの3つの問いThree Questions to Keep in Mind

1. WHO? 誰が?

Who owns this media? Who profits? Who decides what stories get told?
このメディアを所有しているのは誰? 利益を得るのは誰? 語られる物語を決めるのは誰?

2. WHERE? どこから?

Where does the information flow FROM and TO? (Global North → Global South? Or the reverse?)
情報はどこからどこへ流れている?(先進国→途上国? それとも逆?)

3. WHAT’S MISSING? 何が見えていない?

What perspectives, voices, or stories are NOT being shown? Why?
どんな視点・声・物語が「見せられていない」のか? なぜ?

見終わったあとに

“Am I outside this system, or part of it?”
「自分はこのシステムの外にいるのか、それとも中にいるのか?」

There are no simple answers, only better questions.
簡単な答えはない。あるのは、より良い問いだけだ。

この3つは、下のどの理論にも当てはまります。毎回これを持って見てください。

Use the following three questions to guide your reading and viewing.

1 なぜメディアを学ぶのかWhy Study Media

この分野が何を扱っているのか、なぜ学ぶ意味があるのか。理論的・哲学的な枠組みも含みます。

読み物3点(Critical Media Studies 第1章ほか)は授業で配布します。

This section introduces the scope of media studies and its theoretical and philosophical foundations. Three readings, including Chapter 1 of Critical Media Studies, will be provided in class.

2 議題設定と効果理論Agenda-Setting and Effects Theories

メディアは「何を考えるか」ではなく「何について考えるか」を決めている、という考え方。ほかに Spiral of Silence(沈黙の螺旋)、Hypodermic Needle(皮下注射モデル)、Limited Effects(限定効果)、Two-Step Flow(コミュニケーションの二段の流れ)を扱います。

This section introduces agenda-setting theory, the spiral of silence, the hypodermic needle model, limited-effects approaches, and the two-step flow of communication. Agenda-setting concerns the influence of media on which issues receive public attention.

3 プロパガンダPropaganda

プロパガンダとは何か。なぜ「見え透いた嘘」が効果的なのか。そして、自分は免疫があると思っている人ほど危ないという話。

This section examines propaganda, why false claims can be persuasive, and why confidence in our own judgment does not necessarily protect us from manipulation.

4 プロパガンダ・モデルThe Propaganda Model

Herman & Chomsky。ニュースが5つのフィルターを通って出てくる、という枠組みです。陰謀論ではありません。誰かが指示しなくても、構造がそう働くという話です。

Herman and Chomsky’s propaganda model describes five filters that shape news production. It explains structural influences on news rather than assuming that each editorial decision follows a direct order.

5 エンコーディング/デコーディングEncoding / Decoding / Stuart Hall

核心の考え:メディアの送り手(制作者)がメッセージに込めた意図(エンコーディング)と、受け手(視聴者)がそれをどう解釈するか(デコーディング)は、必ずしも一致しません。受け手は、自分の知識や経験、価値観に基づいて、主体的にメッセージを読み解きます。

3つの読み方

支配的読み
Dominant
制作者の意図どおりにメッセージを受け取る。「なるほど、その通りだ」と素直に理解する
交渉的読み
Negotiated
大筋では意図を理解しつつ、部分的には自分の意見や状況に合わせて解釈を変える。「言いたいことは分かるけど、自分の場合はちょっと違うな」
対抗的読み
Oppositional
制作者の意図を理解したうえで、全く反対の、批判的な解釈をする。「これはプロパガンダだ」「全く同意できない」

具体例。愛国的な映画。制作者は「国を愛する心」をエンコードしますが、ある人は素直に感動し(支配的)、ある人は「少し大げさだ」と感じ(交渉的)、またある人は「これは危険なナショナリズムだ」と批判的に解釈します(対抗的)。

授業でのポイント:「同じCMを見ても、人によって感想が違うのはなぜだろう?」を、この理論で説明してみましょう。

Stuart Hall’s encoding/decoding model examines the relationship between meanings produced in a message and meanings interpreted by audiences. The examples illustrate dominant, negotiated, and oppositional readings based on viewers’ knowledge and values.

6 メディアの所有と政治経済学Media Ownership and Political Economy

誰がメディアを持っているのか。お金はどう流れているのか。ここは3つの問いの「WHO?」が直接効く領域です。

This section examines media ownership, financing, and their implications for media content. It addresses the question of who produces and controls information.

7 文化帝国主義とグローバル化Cultural Imperialism and Globalization

情報と文化が、どちらからどちらへ流れているのか。3つの問いの「WHERE?」の領域です。

This section examines the direction of international flows of information and culture.

8 メディアはメッセージであるThe Medium Is the Message / McLuhan

核心の考え:マクルーハンの最も有名な言葉「メディアはメッセージである」は、私たちが何を見るか(コンテンツ)よりも、何を使って見るか(メディア)の方が、社会や人間に大きな影響を与える、という考え方です。

具体例

文字(本)とテレビ。文字を読むとき、私たちは自分のペースで、論理的に情報を追います。一方、テレビは映像と音で、感情的に、そして一方的に情報を流します。このメディアの違いが、私たちの思考方法そのものを変えてしまいます。

スマートフォン。スマホというメディアは「いつでも、どこでも、誰とでも繋がれる」というメッセージを私たちに送っています。その結果、私たちは常に通知を気にし、短い情報(ショート動画やSNS)に集中するようになりました。これは、コンテンツ以上にスマホというメディア自体が私たちの生活様式を変えた例です。

授業でのポイント:「普段使っているメディア(LINE、Instagram、TikTok)は、私たちにどんな『メッセージ』を送っているだろうか?」と考えてみましょう。

McLuhan directs attention to how the characteristics of a medium shape communication and social life. The examples compare print, television, and smartphones, including their different demands on attention and patterns of use.

9 シミュラークルとハイパーリアルSimulacra and Hyperreality / Baudrillard

この理論は、シラバスの授業計画には入っていません。ただ、いまの情報環境を考えるうえで外せないので、資料として置いておきます。扱うかどうかは進み具合次第です。

核心の考え:現代社会では、「本物(オリジナル)」と「そのコピー(複製)」の区別がつかなくなり、もはや「オリジナルなきコピー(シミュラークル)」だけが流通している。そして、そのコピーが作り出す「本物よりもリアルな現実」を、ハイパーリアルと呼びます。

シミュラークルの4段階

第1段階 本物の忠実なコピー例)風景をそのまま描いた絵
第2段階 本物を歪めたコピー例)美化された観光ポスター
第3段階 本物がないフリをするコピー例)実際には火事ではない避難訓練
第4段階 本物とは全く無関係なコピー例)存在しない恐竜が登場する映画『ジュラシック・パーク』

具体例

ディズニーランド。これは「アメリカの理想的な街並み」のコピーですが、もはや本物のアメリカのどの街よりも「アメリカらしい」場所になっています。これがハイパーリアルです。

SNSのプロフィール写真。加工アプリで修正された写真は、もはや本人の「忠実なコピー」ではありません。しかし、その加工されたイメージの方が、ネット上では「その人らしさ」として流通します。

授業でのポイント:「私たちが『リアルだ』と感じているものは、実は誰かが作った『ハイパーリアル』なのではないか?」と疑ってみましょう。

志柿浩一郎 北海道大学 大学院メディア・コミュニケーション研究院
SHIGAKI Koichiro, Research Faculty of Media and Communication, Hokkaido University
kshigaki@imc.hokudai.ac.jp

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